こちら、カヨ研究所!

自分を研究するためのブログ。言語聴覚士。

チャイム

さっき、お家に帰りましょう〜の放送チャイムがなった。

夕方になると、子ども向けに役所が放送するやつね。

それで、思い出したことがある。


どこかからの帰り道、最寄駅のホームに降り立った私は、

そのホームで一人、大号泣している女の子を見つけた。

小学生高学年くらいかな。

結構激しく泣き叫んでるから

周りの大人はその子を避けて通ってた。

言葉を選ばずに言うと、少し知能に障害があるような感じの子だった。


女の子の近くを通った若い男の二人組の声が聞こえた。

「おい、泣いてんぞ。」

「絶対、無理。」

それを聞いて、私の心の中で何かがプッツンした。

私は、女の子の方に近よって話かけた。

こういう時、私は私じゃないみたいな感じになる。

なんか無意識になる。

体と意識がバラバラになるみたいな。


「大丈夫?大人の人呼んでこようか?」

(って、まぁ私も大人だけどな!笑)


私を認識してからも、しばらく大号泣する女の子。

私はウンウン、とひたすら女の子を見つめる。

するとしばらくして女の子は言った。

「チャイムがもう一回聞きたいの。」

私は何のことかよくわからなかった。

しばらくして、あの「お家に帰りましょう〜」の放送のことだと理解する。

見ると女の子の手には、何やら古いキャラクターもののキーホルダーが

ぎっちり握られている。

きっと女の子の中で何か文脈があるんだね。

私はただただ同意した。

「そうだね、チャイムもう一回聞きたいね。」

「あ、また明日聞けるんじゃない?」

しばらく泣きじゃくっていた女の子は、急に我に返った。

「あ、役所の人に頼んでみよ。」

お、おう。まじか。

そして泣き止んだ女の子はパ〜っと去っていった。


すげ〜!!!

なんか色々すげ〜!!!笑



チャイムを聞くと思い出す。


チャイムと女の子の関係はどんなものだったんだろう

っていう想像力の種を女の子は残していって

私は後から思い出して楽しんでる。笑

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